「理想の世界を描く」スモールビジネスで効果的なビジョンの設定方法

 ようこそ、スモビジ大学へ!こんにちは、皆さん!学長の寺本 智(てらもと さとし)です。

 このパートでは、第一章「冒険のはじまり」Lv.2「理想の世界を描く」スモールビジネスで効果的なビジョンの設定方法についてお伝えします。

 では早速、小規模経営において、ビジョンの設定がいかに重要かを、わかりやすく解説していきます。それではどうぞお読みください!

1. 世界は自分と自分以外が共存する時間と空間

 ビジョンとは、自分が理想とする未来の姿を明確に描き、そこに至るための方向性を示すものです。

 ビジョンは単なる目標や目的とは異なり、自分と自分以外の世界が共存し、互いに影響し合う「時間と空間」を見据えたものです。

 小規模ビジネスの成功においては、このビジョンが「羅針盤」として重要な役割を果たします。

 特に小さな規模のビジネスにおいては、経営者自身の価値観や信念がビジネス全体に深く反映されるため、強いビジョンがあることで、一貫した行動や選択が可能となります。

 ビジョンは、単に「どこへ行きたいか」というだけでなく、「誰と、どのようにして行きたいか」をも含んでいます。

 スモールビジネスで言えば、地域社会や自分を取り巻く人々に対してどのような価値を提供し、どのように影響を与えていきたいかが問われます。

 ビジョンは、単なる未来の「夢」ではなく、現実的な「到達点」として、経営者が日々の行動を見つめ直す基準でもあるのです。

質問Qちゃん

ビジョンって自分のことだけじゃないの?

勇者プレナー

人との関係性を考えることで、ビジョンがはっきりと描けてくるんだね

ビジョンの設定について

  • スモビジ活用場面:このビジョン設定のアプローチは、特に「自分の価値観をビジネスに反映したい」と考える時に最適です。

    例えば、「地域社会や自分を取り巻くコミュニティに貢献したい」となれば、地元に密着した商店や個人サービス業など、顧客やクライアントとの密接な関係が事業の成否に直結するようなビジネス設定になります。

    対象者としては、スモールビジネスの創業者、経営者、もしくは個人の価値観をビジネスに活かしたいと考えている起業家が含まれます。彼らは、単に利益を追求するだけでなく、自己の価値観を基盤にした「影響力」を社会に発揮したいと願っている方々です。

  • 具体的な課題:スモールビジネスの経営者が抱える課題の一つは、目まぐるしい日常業務に追われ、ビジョンや価値観を見失いがちになることです。

    特に小規模の事業では、人材や資金、時間が限られているため、長期的な目線でビジネスを考える余裕が生まれにくく、目先の利益や即時対応に意識が向きがちです。

    ビジョンが不明確だと、事業の進むべき方向性が揺らぎ、経営判断に迷いやブレが生じる可能性があります。また、ビジョンが共有されていないと、従業員やパートナーと一貫性のある行動が取れず、事業の成長が停滞することもあります。

  • 期待される効果:明確なビジョンを設定することで、スモールビジネスの経営者は日々の決断に「軸」を持つことができ、長期的に見据えた行動を取りやすくなります。

    ビジョンが定まると、自分の価値観や目指す未来をビジネスに反映しやすくなり、関係者とのコミュニケーションも円滑になります。さらに、顧客や従業員に対して一貫性のあるメッセージを届けられるため、ビジネスの信頼度が向上します。

    ビジョンを持つことで、経営者の行動や事業の進展がブレることなく進み、経営者自身が「この方向で良い」と自信を持てるため、モチベーションの維持や組織内の結束力にもプラスの効果が期待できます。

 ビジョンの設定は、スモールビジネスにとって「成長の土台」を築くための第一歩です。大規模企業と違い、経営者の価値観がビジネスのすべてに深く浸透する小規模経営において、ビジョンの力は強力です。

 ぜひこのパートを通じて、理想の未来を描き、あなたのビジネスを進むべき方向へと導くビジョンを構築していきましょう。

2. 理想の世界を描く3つのポイント💡

1)「意志」と「能力・環境」を分けて考える

「なりたい自分を叶える宇宙船」

 理想の自分に向かって進むためには、まず「なりたい自分」を叶えるための宇宙船を準備することが大切です。

 この宇宙船は、あなたが目的地に到達するために必要なリソースやスキル、そして環境を積み込んだ「能力」と「環境」を象徴しています。この船の性能や積み込み方次第で、到達できる世界の範囲が変わってくるのです。

 ここで重要なのは、船長である「あなたの意志」と、実際に航行する「船の性能」を分けて考えること。

 これによって、自分の限界や現在の状況を冷静に評価し、必要な改良や調整を施すことができるのです。

質問Qちゃん

船長の意志と船の性能を分けるってどういうこと?

勇者プレナー

自分のモチベーションと能力、取り巻く環境を分けて冷静に確認するってことなんだ

 あなたの「意志」は船長の役割を果たし、船の「能力と環境」が目標達成のための手段となります。

 この船づくりに必要な4つの要素として、「健康」「人間関係」「経験・職歴」「資産」があります。これらのリソースを充実させることで、あなたの宇宙船はさらに強化され、どんな海や空も渡っていけるものになります。

2)どの世界を進みたいのか?考える

「どこを航海するか?どこを飛ぶか?」

 次に大切なのは、自分がその宇宙船を使って「どの世界を進むのか?」を決めることです。

 せっかく素晴らしい船をつくっても、その船をどこに向かわせるのかが決まっていなければ、出航の準備は整いません。

 理想の自分が活躍できるフィールドを見つけ出し、どの分野やマーケットで自分が価値を発揮できるかを考えることが重要です。

 また、目的地(理想)に到達するためには、その経路を具体的に理解する必要があります。

 無計画な航海は遭難を招く可能性があるように、ビジョンや目的地が曖昧では、成長への道筋がぼやけてしまいます。

 そこで、あなたの強みや特性にフィットした「フィールド」を見つけ出しましょう。具体的な行動指針を持ち、自分がどこでどのように力を発揮できるかを考えることが、成功への第一歩です。

3)価値観に沿った行動をする

「みずからを方向づける羅針盤を持つ」

 ビジョンや目標に向かって進むためには、まず自分の価値観や理念を明確にすることが重要です。

 この価値観や理念は、あなたの人生における「羅針盤」のようなものです。羅針盤がなければ、どれだけ高性能な船や豊富なリソースを持っていても、最終的な目標地に到達することはできません。

 とはいえ、自分の価値観や信念を明確にするのは簡単なことではありません。

 「自立」と「自律」の違いを理解し、自分の軸を言語化することで、よりブレない意思決定ができるようになります。

 ここでいう自立とは「自分を立てること」であり、経済的・身体的な面での独立が含まれます。そして、自律とは「自分を方向付けること」であり、価値観や理念をもとに日々の行動を導くものです。

質問Qちゃん

自立と自律の違いを理解することが重要なのね

勇者プレナー

そうなんだ。読みは同じでも意味は違うからね

 この「羅針盤」を磨くことによって、周囲に流されず、自分の価値観に沿った行動が可能になります。

 ポイントとして、信念に縛られすぎることなく、柔軟に進むべき方向を見定めていきましょう。

 あなたのビジョンを支える「羅針盤」が明確であればあるほど、自分の進むべき道は自然と見えてくるでしょう。

3. ビジョンを設定する3つのステップ

ビジョン設定3つのステップ

  • ① 航海する船のつくりかた
  • ② 専門分野を見つける
  • ③ 価値観を明確にする方法・ミッションステートメント

 以上3つのステップで、あなただけのビジョンが設定できます。それでは詳しく見ていきましょう!

① 航海する船のつくりかた

「船づくりに必要な4つの要素」

 あなたが理想の世界に向かって進むためには、まず自分自身を「船」として再認識することが重要です。この船を構成するのが以下の4つの要素です。

  • 健康:持続可能なビジネスの基盤となる要素
  • 人間関係:支援し合えるネットワーク
  • 経験・職歴:現在の仕事に影響を与える知識とスキル
  • 資産:これまで築き上げてきた財産やリソース

 これら4つの要素をもとに、現在の自分を冷静に客観視し、自分がどんな「船」に乗っているかを見極めましょう。

質問Qちゃん

確かにこの4つの要素は大事だわ!

勇者プレナー

この4つが自分自身を形成してると言っても過言じゃないからね

② 専門分野を見つける

 自分の「船」がどのような性能を持つかがわかったら、次はどこに向かうのかを決める「航路設定」です。

 前述の通り、まずはあなたの「キャラクター」と「宇宙船」をつくっていきます。次のステップはその船を操縦して、どの分野で活動していくのか?を考えていきます

質問Qちゃん

進む場所を決めるってこと?

勇者プレナー

そうだね。自分が進みたいフィールドのことなんだ

 せっかく良い船をつくってもどの海を航海していくのか?が、わからなければ出航できないからです。

 自分が情熱を持ち、他者に提供できる分野を見つけ出し、明確にするステップです。ワークシートで、あなたの価値観や得意分野を整理していきましょう。

 あなたの宇宙船が航海する場所、その場所を見つけるヒントは得られましたか?

 ぜひ「専門分野」を見つける4つのステップを実践してみて下さい。

③ 価値観を明確にする方法・ミッションステートメント

「18の要素を活用して、価値観を明確化」

 最後に、航海の「羅針盤」とも言える「価値観」を明らかにし、自分のミッションステートメントをつくります。

 用意した18のキーワードから、自分が大切にしているものを選び出し、それを指針としたミッションステートメントをつくることで、ブレない行動基準を設定できます。

質問Qちゃん

こんな方法があるの?

勇者プレナー

すごく役に立つよ!ぜひやってみてね

質問Qちゃん

すごく参考になったわ!ビジョンを設定するために価値観を明確にするのね

勇者プレナー

そうだね!自分の価値観を言語化することがビジョンの設定には不可欠なんだ

4. このパートのまとめと、次のステップ

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 スモールビジネスにおいて「自分らしさ」を明確にすることは、成功の土台を築く上で欠かせない要素です。

 このパートでは、自分の「意志」と「能力・環境」を見極め、理想の未来に向けての航海に不可欠な「船」をつくり、目的地を定めるための「羅針盤」を準備してきました。

 このプロセスを通じて、単なるビジネスではなく、あなたの価値観と願望に根ざしたスモールビジネスの姿が見えてきたのではないでしょうか。

 こうした自己理解は、日々の決断にブレない指針を与え、ビジネスを持続的に成長させるための基盤となります。

 スモビジ大学では、この「理想の世界を描く」のプロセスをさらに深掘りし、具体的な方法とサポートを提供しながら、あなたのビジネスを一歩一歩着実に進めていくお手伝いをします。

 自己理解から始まるビジョンづくりは、あなたが理想の未来に近づくための確かな一歩です。

 これからも、自分自身を深く理解し、理想の未来に向かって一歩一歩進んでいきましょう。

 次のステップでは、あなたのキャラクターとビジョンをさらに活かし、具体的なスキルを築くための実践的な方法について学んでいきます。

 スモールビジネスで起業や副業を検討されている方や、小規模企業を今後支援したい方は、自分自身を深く理解し、共に理想の未来に向けて一歩を踏み出しましょう。
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