フェアな仕事の原則:「期日」が生む信頼と不信

 ようこそ、スモビジ大学へ!こんにちは、皆さん!学長の寺本 智(てらもと さとし)です。

 このフリートークでは、私が日々考えている「フェアな仕事」について、お話したいと思います。今回取り上げるのは「期日」というテーマです。

「思考の前提は隠された悪を注意深く拒むこと」です。

 このフリートークはテキスト(文字)だけでお伝えしますので、どうぞご容赦ください。 

 内容は変わらず、心を込めて書きますので、よければぜひお読みください!よろしくお願いします。それではどうぞ。


 フェアな仕事とは、双方が対等な条件でルールを共有し、信頼を築きながら目標を達成するための基盤です。

 期日について、「フェアな仕事」とは何か。その一例として受験のシステムを考えてみましょう。受験には試験日があり、受験生はその日に向けて努力を積み重ね、準備を整えます。

 そして、試験が終われば一定期間後に「合格発表」という結果が期日に必ず発表されますよね。

 受験生は試験日に向けて自分の力を発揮するチャンスがあり、試験官もその合格日という期日までにしっかりと合否を判断する――つまり双方に明確なタイミングと機会がフェアに提供されています。

 この仕組みはお互いにとって公平であり、計画的に準備や判断を進めるための基本的な約束事とも言えると思います。

 教育事業ってこういった入口のところが非常にフェアですし、明確なカリキュラムと進捗が共有され、学ぶ人と教える人が対等な関係でゴールを目指す仕組みが整っています。このフェアな構造こそ、私がこの業界を好きな理由です。


 一方、ビジネスの場面では、特に「期日」においてフェアでない状況が少なくありません。

 例えば、補助金申請を例に考えてみましょう。補助金の申請には「〇月〇日までに提出」という締め切りが設けられていますが、その後の「採択発表がいつ行われるか」は明確にされていないことがほとんどです。

 申請者は厳しい期日を守って書類を整えますが、結果を待つ間の不安や不透明さが残ります。

 さらに、採択が決まってからの交付決定や実績報告の締め切りも曖昧で、申請者側にとっては先が読めず不安定な状態が続きます。

 もらえる「補助金」と言われればそれまでですが、ビジネスの原則では不可解でしかないですね。


 このような一方通行の期日の設定は、フェアと言えるでしょうかね?「締め切り」というものは人が考えた仕組みであり、それがあるからこそ目標に向かって努力ができる、計画的に動ける、という効果もあります。

 しかし、片方だけに期日を課し、もう片方には期日を設けない。この状況はバランスを欠き、フェアではないと私は考えています。

 これは、民間の企業同士であればなおさら不可解に映ることでしょう。例えば、取引先に納品日だけを厳密に設定しながら、支払い期日を明確にしない契約が果たして成立するでしょうか?答えはNOですよね。

 双方が納得できる形で期日を決め、お互いの責任を果たすことがビジネスの基本です。にもかかわらず、補助金などでは、申請者だけに期日が設定され、提供者側には同等の期日が設定されないのは明らかにフェアな条件とは言えません。


 同様のことは金融機関の融資プロセスにも見られます。借り手が返済に遅れると即座に遅延利息が発生する業界である一方で、融資の実行日については「審査が終わり次第」としか伝えられないことよくあります。

 融資を受ける側にとっては、事業計画や資金繰りを期日に合わせて計画することが難しく、これが経営に大きなリスクをもたらします。

 審査というプロセスが必要であることは理解できます。それならば事前に期日を見据えたプロセスを設定し、逆算スケジュールでの業務実行と共に、借り手に安心感を提供するのがプロフェッショナルのあるべき姿ではないでしょうか。


 このようなフェアでない状況は、しばしば「体制の違い」によってもたらされます。

 小規模な組織や個人が大きな組織や制度と向き合うとき、どちらか一方だけが期日を守ることを要求され、もう一方は自由でいるという不公平な構造が生じやすいのです。

 これはビジネスの世界において大きな負担を強いられるだけでなく、労働の価値やフェアネスの精神にも影響を及ぼします。

 フェアな仕事の第一歩は「お互いが守るべきルールや期日を明確にし、対等にそれを尊重すること」です。

 このフェアな仕事の原則を取り入れることで、すべてのビジネス関係者が安心して前進できる環境をつくることができます。

 今一度、自分の仕事や関係性を見直し、小さな改善からフェアネスを広げていきましょう。こうしたフェアネスについて考え、当たり前とされる「期日」や「役割分担」が果たして公平であるかを見直していくことが大切だと思いますね。

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