補助金・助成金は武器であって命綱ではない! 賢く活用するための最適戦略|スモールビジネスの歩き方

『小さな事業を大きな主役へ』ようこそ、スモビジ大学へ! こんにちは、皆さん! 学長の寺本 智(てらもと さとし)です。

 私は、スモールビジネスの領域で、『小規模経営学者』として活動しています。専門は、従業員0人から20人までの小規模経営。


 一人ひとりが持つ個性と経済的な安定。この2つが両立する――そんな〝小さな経営の在り方〟と、実体験から得た、「小さくても確かな成果を生み出す」実践の文法を、『小規模経営学』として体系化し、教育――〝学びのカタチ〟で届けています。これは、日本で唯一の学問。小規模事業にとって重要な実践知を集めた、『日本初のスモールビジネス経営学』です。


 ビジョンは、そんな個性と安定が両立する社会の実現と、経営の民主化を目指す「一億総スモールビジネス」――。


 また、私自身の背骨となっている専門職「スモールビジネスコンサルタント」としても活動し、10年以上にわたって200社以上をサポートし、500を超えるの案件を達成してきました。
 細かくお伝えすると、これまでにサポートした企業は228社(現在も支援企業、増加中)です。中には「1,000社以上サポートしました!」という方もいますが、小規模企業の多岐にわたる課題に本気で向き合うと、この数字が限界だと実感しています。

1. はじめに

「補助金・助成金があるから、せっかくだし応募しておこう」

「もらえるお金なら、活用しないと損!」

 こう考えてしまう人は少なくありません。しかし、その考え方こそが、スモールビジネスの落とし穴になる可能性があります。

 確かに、補助金・助成金は事業の発展を後押しする強力なサポートツールです。しかし、それは〝命綱ではなく〝武器として使うべきもの。

 補助金に頼るビジネスモデルを作ってしまうと、補助金が切れた瞬間に資金繰りが苦しくなり、最悪の場合、事業そのものが立ち行かなくなってしまいます。

 一方で、補助金・助成金を「事業の加速装置」として活用することができれば、事業成長の大きなチャンスとなります。

 つまり、事業の基盤をしっかり作った上で、その成長を支える手段として補助金・助成金を活用することが、真の成功戦略なのです。

▶ スモールビジネスにとっての補助金・助成金の正しい位置付け

  • 「もらうため」ではなく、「成長のため」に使うもの!
  • 本業が回る仕組みがあってこそ、補助金が武器になる!
  • 「補助金がなければ続かない事業」は、そもそも危険!

 この記事では、補助金・助成金の本質的な活用方法と、失敗しないための戦略について解説していきます。補助金を「もらうこと」が目的にならないよう、事業を成長させるための〝正しい活用法を学びましょう!

▶ この記事から学べること

 本記事を読むことで、以下のことが明確になります。

✅ 補助金・助成金のメリット・デメリットを知り、賢く使う方法が分かる!
✅「補助金に頼らず成長できる事業モデル」の作り方が分かる!
✅ 補助金・助成金を上手に活用した成功事例と、失敗したケースの違いが分かる!

 補助金・助成金を「成長のための武器」として正しく活用し、持続可能なスモールビジネスを築いていきましょう!

2. 補助金・助成金の現状と盲点

▶ 補助金・助成金の魅力とは?

 スモールビジネスにとって、補助金・助成金は大きな味方になり得ます。資金的な余裕が少ない創業期や成長段階において、自己資金だけでは難しいチャレンジを後押ししてくれる存在です。

 たとえば、次のような場面で多くの事業者に活用されています。

  • 初期費用の軽減:店舗改装費や設備導入の資金負担を減らせる
  • マーケティング支援:チラシ制作、Web広告、展示会出展など販促活動に活用可能
  • 成長への投資:ITツールや人材育成、業務効率化への取り組みを加速できる

つまり、「いまは手が届かないけれど、実現できたら大きな前進になる」というタイミングにおいて、補助金・助成金は強力なブースターとして働きます。

▶ でも落とし穴も…

 ところが、この〝魅力が思わぬ落とし穴になることもあります。とくにスモールビジネスでは、次のような問題が起こりがちです。

❌ 補助金ありきの事業は危険

「この補助金が使えるから、この事業をやってみよう」
 という発想は、一見合理的に見えて、本来やりたかった事業から外れてしまう危険性があります。

 補助金は期限つき・条件つきの資金です。それがなくなった瞬間に回らなくなるような事業は、そもそも設計に無理があると言えます。

❌ 申請・報告の負担が大きい

 補助金の申請には、計画書の作成・経費の根拠資料・完了報告など、事務作業の負担が非常に大きいものが少なくありません。
 結果として、本業に集中すべき時間が削られ、業績に悪影響が出てしまうケースも。

「補助金のために働いているのでは?」という本末転倒な状況にならないよう注意が必要です。

❌ 補助金の条件に事業を合わせると、本末転倒

 補助金は〝こういう経費に使ってください〟という厳密なルールが決まっています。
 その条件に事業内容や投資計画を無理に合わせてしまうと、自分にとって最も効果的な成長戦略を選べなくなることがあります。

 これは、本来のビジネス目的よりも“書類上の正解”を優先するような状態であり、事業の芯がブレる原因にもなります。

▶「補助金に頼らない事業設計」が重要

 補助金・助成金は、使い方さえ間違えなければ非常に有効な支援制度です。
 しかし、それはあくまでも「追い風」や「加速装置」であり、エンジンそのものではありません。

 だからこそ、最も大切なのは、

 補助金がなくても利益を出し、回っていく事業設計ができていること。

 これが前提にあってはじめて、補助金・助成金は「戦略的な武器」として活きてきます。

 スモールビジネスにとって真に重要なのは、自力で続けられるモデルを組み立てること
 そのうえで、補助金・助成金を「目的」ではなく「手段」として使う姿勢が、強く・しなやかな経営につながるのです。

3. 補助金・助成金の種類と使い分け

 補助金・助成金とひと口にいっても、その種類や目的は実に多様です。中には、「うちの事業には関係ない」と思い込んでチャンスを逃しているケースも少なくありません。

 ここでは、スモールビジネスにとって活用しやすい【代表的な制度を3つのカテゴリに分けて紹介します。
 重要なのは、〝何を目的に使うのかを明確にし、自分に合った制度を選ぶことです。

1)経済産業省系の補助金(事業拡大向け)

ものづくり補助金(設備投資・革新的事業向け)

 中小企業が新製品や新サービスの開発、設備導入などを行う際に活用できる制度です。
たとえば... 製造機械の導入、新しい商品ラインの立ち上げ、工程の自動化など
💡 革新性・収益性・実現性が重視されるため、事業計画の精度がカギ!

小規模事業者持続化補助金(販促・経営改善向け)

 商工会議所や商工会の支援を受けながら、販路開拓や経営改善に取り組む小規模事業者向けの補助金です。
たとえば... チラシ制作、Webサイトのリニューアル、看板設置など
💡 スモールビジネスの現場で最も多く使われている実用的な補助金のひとつ。

IT導入補助金(ITツール導入・業務効率化向け)

 会計・受発注・顧客管理・ECサイト構築などのITツール導入に対して補助が出ます。
たとえば... クラウド会計ソフト導入、予約システム構築など
💡 デジタル化・業務効率化が目的。ツールは事前に登録されたものから選択。

2)厚生労働省系の助成金(雇用・働き方改革向け)

キャリアアップ助成金(非正規雇用者の処遇改善)

 パート・契約社員などの非正規労働者を正社員に登用する場合などに支給されます。
たとえば... 正社員化、賃金アップ、教育訓練の実施など
💡 雇用環境を整備しながら人材を育てたい事業者に最適。

業務改善助成金(最低賃金引上げに伴う設備投資支援)

 従業員の賃金を一定額引き上げる事業者が、業務改善のために設備投資する際に使える助成金です。
たとえば... レジや製造機械の更新、業務効率化ツールの導入など
💡 最低賃金引上げに対応しながら、現場改善が図れる制度。

3)地方自治体の補助金・助成金(地域密着型)

創業支援補助金(新規開業向け)

 各自治体で公募される創業支援策。地域に新たなビジネスを呼び込む目的で設計されています。
たとえば... 店舗改装費の一部補助、創業初期の経費支援など
💡 地域とのつながりや社会的意義が評価される傾向あり。

販促・デジタル化支援補助金(地元企業の支援策)

 地域商店や中小企業の販促活動やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援。
たとえば... キャッシュレス導入、SNS広告、ECサイト立ち上げなど
💡 地元密着ビジネスの販促・再構築に効果的。自治体によって内容は多種多様。

✅ 目的に応じて「選ぶ力」が重要

 どの制度も魅力的ではありますが、「何を目的に補助金・助成金を使いたいのか」が曖昧なまま申請しても、採択されにくく、事業もブレてしまいます。

  • 事業を広げたいなら → 経済産業省系
  • 雇用や環境改善なら → 厚生労働省系
  • 地元密着・創業なら → 自治体系

 このように整理することで、自分に必要な制度が見えてきます。補助金・助成金を「目的に合わせて戦略的に選ぶ」ことこそ、賢い経営判断です。

4. 賢く活用するための最適戦略

① 事業の「核」を先に決める

「補助金があるから、この事業をやってみよう」という発想は、一見合理的に見えて、危険です。
 補助金の存在を前提に事業を組み立ててしまうと、その制度が終わった瞬間にすべてが崩れてしまう恐れがあります。

 だからこそ、まず先に考えるべきは、〝本当に自分がやるべき事業は何か、という軸です。

✅ どんなお客様に、
✅ どんな価値を届けたいのか、
✅ その手段として、どのようなビジネスを選ぶのか。

 補助金はあくまでその手段の強化に過ぎません。自分の信念と市場ニーズに基づいた「事業の芯」を持つことが、補助金活用の前提です。

② 補助金・助成金を「加速装置」として使う

 本業の収益構造ができていないうちに補助金で投資をしてしまうと、売上が上がらず、負担だけが増えるという結果になりかねません。

 理想は、こうした流れです:

利益が出るモデルを先につくる → そこに補助金を活用してブーストする

たとえば...

  • すでに売れ始めている商品に対して広告投資をかける
  • 実績のある店舗運営に対してITツールで効率化を図る

 といったように、既に動いている事業を「加速させる」目的で補助金を活用するのが、安全で効果的です。

 補助金は「火をつけるマッチ」ではなく、燃えている火に風を送る扇のような存在。燃える材料(事業の中身)がなければ、どれだけ風を送っても意味がありません。

③「継続性」のあるお金の流れをつくる

 補助金は、基本的に一時的な支援金です。一時的な資金に頼って事業が成立している状態は、ビジネスとして非常に不安定です。

 だからこそ、戦略として重要なのは:

補助金が切れた後も、事業が〝自力で回るモデルをつくれているか?

 これを常に自問することです。
たとえば...

  • 補助金がなくても支払える家賃・人件費になっているか?
  • リピーターや紹介が自然と生まれる仕組みがあるか?
  • 収益性が一定の水準を超えているか?

 など、補助金がなくても回る設計 = 健全なスモールビジネスの土台です。

④ 必要な補助金・助成金を見極める

 補助金の情報は膨大にあります。その中で、「なんとなく良さそう」「とにかくお金になる」という基準で選ぶと、申請にかかる労力だけが大きく、リターンが伴わないことも。

 大切なのは、次の2つ:

  • 自分の事業フェーズに合っているか?
    (創業期/成長期/改善フェーズなど)
  • 要件・制約を理解し、自分の事業に無理なくハマるか?
    (対象経費・報告義務・申請タイミングなど)

「採択されたけど、結局使いづらかった」というケースを避けるために、制度の〝読み込み力と〝選別眼が必要です。

✅ 補助金は〝目的〟ではなく〝手段〟

 最も大事なのは、「補助金を活用すること」が目的にならないこと。あくまで、事業を持続可能に、そしてより強くするための手段として捉えることです。

 その視点があれば、補助金・助成金は、スモールビジネスの成長を後押しする最高の味方になってくれるはずです。

5. 成功事例・失敗事例 〜補助金に使われず、補助金を使いこなす〜

 補助金・助成金を使うかどうかよりも、「どう使うか」が事業の明暗を分けます。
 ここでは、実際にあった成功・失敗の典型例から、賢い活用と危うい依存の差を見ていきましょう。

✅ 成功事例:「本業を伸ばすために上手に活用したケース」

 ある地域密着型のベーカリーは、すでに地元で人気の食パンが売れており、リピーターも多い状況でした。そこで、小規模事業者持続化補助金を活用し、その主力商品に絞った広告戦略を展開
 SNS広告・チラシ・POPの刷新を行い、地元での認知度をさらに高めた結果、売上は前年同月比で1.5倍に。

 また、別の創業者は、IT系の新規事業を立ち上げる際に、IT導入補助金を活用して顧客管理システムを導入。最小限の人手で効率的に事業運営ができる基盤を整え、スムーズなスタートダッシュを実現しました。

 これらのケースに共通しているのは、

「すでに軸となる事業が存在していたこと」と「補助金が目的ではなく、手段として使われていたこと」

 まさに、補助金を〝武器〟として使いこなした好例です。

❌ 失敗事例:「補助金ありきで事業を始めたケース」

 一方で、補助金があるからという理由で、急遽新しいサービスを立ち上げたケースではどうでしょうか。
 ある事業者は、創業支援補助金をきっかけにEC事業をスタート。しかし、商品企画もブランディングも不十分なまま「補助金のスケジュール」に合わせて動いてしまった結果、補助金終了と同時に集客が止まり、売上が立たなくなった

 別のケースでは、「この補助金を受けるには●●の経費が必要」と言われ、本来の事業計画とは異なる投資を強いられた。結果的に、自分のやりたい事業と補助金の条件とのズレに悩まされ、経営判断がぶれてしまった。

 これらはすべて、

「補助金に事業を合わせた」ことが招いた失敗

 補助金に振り回される経営は、自由度も収益性も下がってしまいます。

6. まとめ 〜補助金・助成金に〝主役を奪わせない〜

 補助金・助成金は、たしかにスモールビジネスにとって心強い制度です。けれども、それが〝主役〟になってしまうと、本末転倒です。

▶ 補助金・助成金は「武器」であって、「命綱」ではない。

 だからこそ、最も大切なのは、自立できる事業モデルをまず自分の手でつくりあげること。そのうえで、必要に応じて補助金・助成金というツールを活用し、成長を加速させることです。

 補助金に頼らない設計だからこそ、補助金を上手に活かすことができる。そしてそれが、持続可能で、しなやかに成長できるスモールビジネスをつくる最大の鍵になります。

補助金・助成金を味方につけるのはあなた自身です。

「制度に使われる」のではなく、「制度を使いこなす」ための視点と戦略を、これからも磨いていきましょう。

 スモビジ大学では、あなたの挑戦を支えるためのサポートをいつでも提供しています。次のステップに向けて、私たちと一緒に前進していきましょう!
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