「オリジナルのスキルを装備する」小規模だからこそ際立つ強みと専門性の発見!

 ようこそ、スモビジ大学へ!こんにちは、皆さん!学長の寺本 智(てらもと さとし)です。

 このパートでは、第一章「冒険のはじまり」Lv.3「オリジナルのスキルを装備する」についてお伝えします。

 スモールビジネスにおいて、"あなたにしかできない強み"や"独自の専門性"を見つけることは、成功のカギを握ります。

 特に、ビジネスの成長を持続させるには「ライフタイムバリュー」と「ライフミッション」という2つの視点が重要です。

 それでは早速、あなたの強みを発見し、武器にする方法を解説していきましょう!

1.「ライフタイムバリュー」と「ライフミッション」から考える

ライフタイムバリューが示す、持続可能なスキルの本質

 あなたのスモールビジネスが目指すべき方向性を考えるとき、顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)は重要な指標となります。

 ライフタイムバリューは、単に「顧客からどれだけの収益を得られるか」を意味するだけではありません。そこには、あなたが提供する価値が「どれだけ長く、どれだけ深く顧客とつながり続けられるか」という視点が含まれます。

 この視点を持つことで、単発的なスキルや一時的な需要ではなく、顧客との信頼関係を育み、長期的に貢献できる「持続可能なスキル」を発見する道筋が見えてきます。

 あなたの強みは、単に今できることにとどまりません。それは、顧客の課題を解決し続ける能力として成長し、進化していくものです。

質問Qちゃん

お客様と深く長い繋がりが大事ってこと?

勇者プレナー

そうなんだ。それが顧客生涯価値の本質だね


ライフミッションが示す、あなただけの専門性の源泉

 一方で、スモールビジネスにおける強みと専門性は、単に外部のニーズに応えるだけでなく、自身の内側から湧き出る「情熱」や「使命感」からも見つけ出されます。

 この「ライフミッション」とも呼べるあなたの人生の軸は、スモールビジネスを通じて形を成し、唯一無二の専門性を生み出す原動力となります。

 たとえば、「地元コミュニティを豊かにしたい」「特定の業界で新しい価値を創造したい」など、あなたが追求したい目標や夢がライフミッションです。

 このミッションを基にすると、単なる「得意なこと」ではなく、自分にとっても顧客にとっても本質的な価値を提供できる専門性が浮き彫りになります。


ライフタイムバリュー × ライフミッション = あなたの独自性と競争優位性

 スモールビジネスにおける成功は、この2つの軸を掛け合わせることで最大化します。

 ライフタイムバリューを考えることで、顧客に対して長期的に価値を提供できるスキルやサービスを見つけ、ライフミッションを基にすることで、自分の情熱と価値観に一致した専門性を築き上げます。

質問Qちゃん

この2つを軸に考えるのね!

勇者プレナー

顧客を知り、自分を知れば最適な価値がわかるよね

 この2つを意識することで、単なるスキルや専門知識を越えて、「あなたでなければ提供できない価値」が形づくられていきます。これが、スモールビジネスにおける「強み」と「専門性」の真髄です。

 あなたのライフタイムバリューを意識し、ライフミッションに耳を傾けることで、どのようなスキルや専門性を発見できそうですか? 自分自身と対話しながら、ぜひその答えを見つけてみてください。

強みと専門性の必要性

・スモビジでの活用場面

小規模経営では、「人」「資源」「時間」という限られたリソースを最大限に活かすことが求められます。そのため、強みと専門性を明確にすることは、自社の競争力を高めるだけでなく、日々の意思決定や事業の方向性を安定させる重要なカギとなります。

たとえば、地域密着型サービス、特定のニッチ市場をターゲットにした事業、または個人のスキルや情熱を基盤としたビジネスにおいて、強みを際立たせることで他との差別化が可能になります。


・具体的な課題

多くのスモールビジネスオーナーは、自分の「強み」や「専門性」を意識していないか、どのように活かせるのかが分からずにいます。また、強みを見つけたとしても、それが顧客にとってどのような価値を提供するかを適切に表現することに悩むケースが多いです。

さらに、小規模経営では経営者が多岐にわたる役割を担うため、自分の本来の専門性を見失い、日々の業務に追われてしまうことも課題として挙げられます。


・期待される効果

強みと専門性を明確にし、それを効果的に活用することで、以下のような成果が期待できます。

  1. 事業の方向性が明確化する:日々の意思決定がスムーズになり、ブレない経営が実現します。
  2. 顧客への価値提供が強化される:自分の専門性が顧客にとっての「独自の便益」に転化し、顧客満足度やリピート率が向上します。
  3. 競争優位性の確立:市場での差別化が明確になり、特定の顧客層に圧倒的な存在感を示すことができます。
  4. 持続的な成長の基盤づくり:専門性に基づいた事業展開は、長期的な安定性と成長につながります。

 このパートでは、スモールビジネスの中であなたの強みと専門性をどのように発見し、それを効果的に活用するかを解説していきます。

 これにより、あなた自身の価値をビジネスの力に変える道筋が見えてくるはずです!

2. 強みと専門性を発見する3つのポイント💡

1)優秀さより役割が重要!さらに重要なのは芸風

 強みを考えるとき、私たちは「能力の高さ」や「優秀さ」に目を向けがちです。しかし、スモールビジネスにおいて最も重要なのは、「自分が果たす役割」です。

 この役割は、顧客やコミュニティに対してどのような価値を提供できるか、つまり「あなたにしかできない仕事」を意味します。

 そして、その役割をさらに際立たせるのが「芸風」です。芸風とは、言い換えれば「あなたらしさ」を象徴するスタイルやアプローチのことです。

質問Qちゃん

自分の役割を考えるの?

勇者プレナー

個性ある役割が価値に直結するんだ

 たとえば、あるカフェが「地域一番の味」を追求するのではなく、SNSで「ユーモアあふれる投稿」を続けた結果、話題を呼びました。このカフェの強みは単なる「おいしいコーヒー」ではなく、地域の人々に笑顔を届ける「楽しさ」という役割を果たしている点にあります。

 このように、優秀さではなく「自分らしい芸風」を築くことで、他と差別化された強みが生まれます。


2)独自性と便益を紐づける

 独自性を持つことは重要ですが、それが顧客にとってどのような「便益」につながるのかを明確にする必要があります。ただ「他と違う」だけでは、顧客に響く価値を提供することはできません。

 たとえば、手作り雑貨店が「エコ素材」を使用している場合、それだけでは独自性として弱いかもしれません。しかし、それを「環境に優しい暮らしを支える」という便益に紐づけることで、環境意識の高い顧客層にアピールできるようになります。

 ここで重要なのは、「この独自性が顧客にとってどんな価値を提供するのか?」という問いを繰り返し、自分の強みを深掘りすることです。独自性と便益が明確に結びつくことで、顧客にとって「選ばれる理由」が生まれます。


3)コア・コンピタンスは既存知の組み合わせ

「コア・コンピタンス」と聞くと、全く新しい発明や革新的なアイデアを思い浮かべるかもしれません。しかし、実際には、既存の知識やスキルをユニークに組み合わせることが、強みの源泉となります。

 たとえば、趣味で磨いた「イラストのスキル」と、過去の職歴で得た「商品開発の知識」を掛け合わせた結果、オリジナルデザインのエコバッグを生み出した人がいます。この取り組みは、新しい市場を切り開くと同時に、他にはない独特な価値を顧客に提供しています。

 つまり、あなたがすでに持っている要素を見直し、それをどのように組み合わせるかが重要です既存の知識や経験を組み合わせることで、独自性と専門性を備えたコア・コンピタンスが形成されます。

質問Qちゃん

今持ってる武器のかけ算なのね!

勇者プレナー

そうなんだ。それが強い競争力(コア・コンピタンス)を生むんだね

「優秀さ」に捉われず、「役割」や「芸風」を意識すること。独自性を便益に変え、顧客に響く価値を提供すること。

 そして、自分が持つ既存知識やスキルをユニークに組み合わせること。

 この3つのポイントを押さえることで、スモールビジネスでしか築けない強みと専門性を見つけ出すことができます。あなたのビジネスが持つ可能性を最大限に引き出しましょう。

3. 強みと専門性を発見する3つのステップ

① 4つのヒントから専門能力を見つける

 専門能力を発見する第一歩は、自分の中に隠れている「ヒント」を掘り起こすことです。そのために、以下の4つの視点を使いましょう。

専門能力を見つける4つのヒント

  1. 好きなことを考える
    「好きなこと」は、夢中になって取り組める大切な手がかりです。
    たとえば、モノづくりが好きであれば、その感性を活かした仕事やアイデアが生まれるかもしれません。まずは「自分が心から楽しめること」に注目してみてください。
  2. 喜ばれたり・ほめられたことを考える
    他者から喜ばれたり、感謝された経験は、あなたの「価値」を示しています。
    その行動や成果が、他者にどんな影響を与えたのか振り返ってみましょう。これが、他者にとっての「必要なスキル」のヒントになります。
  3. 興味のあることを探す
    「挑戦してみたい」と思うことも、専門能力を見つける重要な鍵です。
    興味を持つ対象は、まだ発展途上の能力である可能性が高いですが、それを伸ばしていくことで新たな価値を創造することができます。
  4. 得意なことを見つける
    得意なことは、すでにあなたが持つ「強み」であり、応用可能な資源です。
    これまでの経験やスキルの中で、自然にできてしまうことをリストアップしてみましょう。そこには、他者が簡単に真似できない独自の価値が隠れています。

 これらのヒントを統合することで、あなたが特化すべき専門能力が見えてきます。「好き」「喜ばれた」「興味」「得意」の4つをキーワードに、自分自身を深く掘り下げてみましょう。

 参考までに私の回答をお伝えしておきます。イメージを持っていただければ幸いです。


② 専門能力を分析する 〜3C分析から始まる5つの分析〜

 専門能力を具体化する次のステップは、多角的な視点からその価値を検証することです。ここでは、3C分析をフレームワークとして用いながら、さらに深掘りするための4つの分析方法を紹介します。

5つの分析方法と手順

  1. 【3C分析】
    あなたや自社(Company)・顧客(Customer)・競合(Competitor)の3つの視点から分析します。
  2. 【SWOT分析】
    自分の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)、外部環境の機会(Opportunities)と脅威(Threats)を整理することで、現在の立ち位置を客観的に評価できます。
  3. 【VRIO分析】
    自分の能力が「経済価値」「希少性」「模倣困難性」「組織的支援」の観点でどの程度優れているかを分析し、持続的競争優位性を確認します。
  4. 【4C分析】
    自分の技術やスキルが「顧客価値」「コスト」「利便性」「コミュニケーション」の観点で、どの程度顧客にとって魅力的かを見極めます。
  5. 【5フォース分析】
    市場における自分の専門性が「新規参入者」「代替品」「買い手」「売り手」「競争環境」の視点からどのように評価されるかを考えます。

 これらの分析を組み合わせることで、自分の専門能力が市場や顧客にとってどのように価値を持つのか、具体的なイメージがつかめるようになります。

質問Qちゃん

なんだか難しいわ...

勇者プレナー

まるで呪文のようだよね^^わかりやすく図解で伝えるね

 同じく参考までに、私の回答をお伝えしておきます。イメージを持っていただければ幸いです。

 ぜひあなたもチャレンジしてください。確実にスキルアップの役に立ちます。

 これらの分析を組み合わせることで、自分の専門能力が市場や顧客にとってどのように価値を持つのか、具体的なイメージがつかめるようになります。

 これらのフレームワークを活用し、多面的な視点で自己分析を進めていきましょう。


③ 能力を価値化してみる 〜リーンキャンバスの活用〜

 最後に、見つけた専門能力を具体的な価値に変えるステップです。

 この段階では、「リーンキャンバス」というビジネスモデル構築ツールを活用します。リーンキャンバスは、以下の9つの要素で構成されています。

リーンキャンバス

  1. 顧客セグメント(誰に価値を提供するのか)
  2. 顧客の課題(どんな問題を解決するのか)
  3. 独自の価値提案(他にはない価値は何か)
  4. 解決策(どのように課題を解決するか)
  5. 圧倒的な優位性(真似されない強み)
  6. 収益の流れ(どのように収益化するか)
  7. コスト構造(必要なコストと資源)
  8. 主な指標(成功を測る指標は何か)
  9. チャネル・販路(価値をどう届けるか)

 これらを具体的に埋めていくことで、自分の専門能力を基盤としたビジネスモデルが明確になります。

 たとえば、「好きなこと」と「喜ばれた経験」から得たスキルを独自の価値提案に落とし込み、顧客セグメントに適応させることで、持続可能なスモールビジネスが形成されます。

 少しだけ複雑ですが、以下のように進めます。この手順で記入することによって、最も効果的なツールの活用法になります。

質問Qちゃん

この1枚で事業の価値が整理できるわ!...

勇者プレナー

ビジネスの要素を1枚でまとめれるから、すごく便利なんだ


 以上の3つのステップを通じて、あなたの強みと専門性を明確にし、それをスモールビジネスとして形にする具体的な道筋が描けるでしょう。

 これらのプロセスを通じて、あなただけの強みと専門性の発見、そしてそれらを価値に変換できるので、ぜひ挑戦してみてください。

4. このパートのまとめと、次のステップ

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 スモールビジネスにおいて「際立つ強みと専門性」を明確にすることは、成功を加速させる大きな武器になります。

 このパートでは、「好きなこと」「得意なこと」「評価されたこと」など、自己理解のプロセスを通じて、自分だけの「専門能力」を見つけ出し、それを分析・価値化するためのフレームワークを学んできました。

 こうしたプロセスは、単なるスキルではなく、あなたの価値観や目指すビジョンを反映した「武器」として、ビジネスを持続的に成長させる基盤となります。

 これにより、スモールビジネスならではの独自性を発揮し、他にはない価値を創出する力が得られるでしょう。

 スモビジ大学では、この「強みと専門性を装備する」ステップをさらに深掘りし、具体的なアクションプランとサポートを提供することで、あなたのビジネスを一歩一歩確実に前進させるお手伝いをします。

 次のステップでは、起業や事業をさらに現実化するために、「資金調達の方法」をテーマに、小規模だからこそ活用できる柔軟な資金調達の選択肢や戦略について学んでいきます。

 スモールビジネスで起業や副業を検討されている方や、小規模企業を支援したい方は、引き続き自分自身の強みを最大限に活かしながら、理想の未来に向かって進んでいきましょう。

 これからも一緒に、理想の未来を実現するための第一歩を踏み出しましょう!
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