現代の資本主義と商業主義について

「商業主義よりも資本主義の本質に沿った事業を展開する企業を増やし、バランスの良い経済社会への実現に貢献したいという想いからです」

 現代は資本主義の時代ですが、私たち一般人が(少なくとも私は)実生活で資本主義を感じることはほとんどありません。実際に感じるのは、商業主義の影響です。

 資本主義とは、国家や組織に依存することなく、個人の才能や裁量に基づいて自由に社会活動や経済活動を行うことが認められるシステムです。

 一方、商業主義は営利を第一に目的とする考え方です。資本主義も営利を目的としますが、それだけでなく、個人の能力や人間関係、そして資産を人的資本、関係資本、経済資本と位置づけ、それらすべてをバランス良く、大事にする考え方が資本主義の本質です。

 この文章を読んでいるあなたも、資本主義と商業主義の違いについて意識したことがないかもしれません。

 普段の生活の中で資本主義を感じることが少ないという疑問を解消し、個性と安定の共存が図れるスモールビジネスをもっと普及させたい想いから、小規模経営学を体系化し「スモビジ大学」を創立するに至ったのが最大の動機です。

小規模経営の難しさ

 小規模経営は、その規模ゆえに特有の課題があります。規模が小さいため、経営者は多岐にわたる役割を負担しなければならず、経営、営業、財務、マーケティングといった多くの領域を一人でカバーすることが求められます。

 また、多くの起業家が存在する一方で、適切な経営支援を提供できる専門家の数は限られています。これにより、小規模企業は必要なアドバイスやサポートを受けることが難しく、持続的な成長が妨げられることがあります。

 スモビジ大学は、こうした経営支援のギャップを埋めるためにあります。小さな企業にこそ、経営の専門知識が必要である、という私の実体験の考えの基、良質な小規模経営を全てのスモビジパーソンに取り組んでもらいたい。

 そのために、小規模経営の専門家を増やし、スモールビジネスの経営者が抱える課題に対処し、持続可能な成長を支援できるプロフェッショナルを育成する。この使命もまた、創立動機の一つです

スモビジ先生

これが私の想いです。そして...

時代背景のニーズ

 現代社会において、スモールビジネスの重要性はますます高まっています。働き方の多様化とデジタル技術の進展により、小さな企業が地域経済の中核を担い、イノベーションの源泉となる機会が増えています。

 また、終身雇用制度の後退とコロナ禍の影響で、ワークライフバランスを考え、自らのキャリアに向き合う人が増加し、フリーランスや起業を志す人も増えています。

 2021年の統計によると、日本には約334万の中小企業が存在し、これは全企業数の99.7%を占めています。

 この中で、小規模企業者は312万企業あり、全中小企業の93%を占める重要な存在です。

 さらに、個人事業主206万者のうち、99%にあたる205万者が小規模企業であり、法人128万社のうち、84%にあたる107万社が小規模企業です。

 従業員数においても、小規模企業者は全企業の約50%の人々を雇用しており、経済の中心的役割を果たしています。

 つまり、スモビジは日本において非常に身近な存在であり、約2人に1人が関わっています。

 この小規模企業の健全な成長と発展が、日本経済の持続可能な成長において鍵となります。

 しかし、これらの事業は大規模企業に比べてリソースが限られているため、効果的な経営スキルと戦略が求められます。現在、そういった小規模経営に特化した効果的なツールは十分ではありません。

 そこで、この背景と時代のニーズを汲み取り、スモビジを営む小規模企業者により良い経営を行ってもらうために、本学を創立をしました。

神戸メインキャンパス

 スモビジ大学は、私の生まれ育った神戸にメインキャンパスを設置しています。神戸は、港町としての歴史や異国文化が融合する街であり、古くから多くの商業活動が行われてきました。こうした歴史と文化の豊かさは、創造的なビジネス環境を提供します。

 昨今の物価高騰で困っている地元企業も多く、この地域で学ぶことで、受講生たちは実際のビジネス環境に触れ、地域社会との連携を深めることができます。

 神戸キャンパスを拠点に、地域経済の活性化と持続可能な成長を目指し、スモールビジネスの未来を創造します。地域と共に成長し、共に未来を築く場所、それが神戸メインキャンパスです。